烏賊下足

烏賊よおまえはわかってはいるか
みえないハートにどす黒い苦渋に満ちた毒墨を
吹き蒔き散らしていることを

歓喜に満ちた宴席に置かれたおまえの墨のセモリナが
温泉郷のごとく噴出してるさまを

おまえの軟体では容易に深水に溶け込む事も叶わず
ヒラホロフレと逆走、逆泳するのが落ちだということを

好物の浪速の烏賊焼きももう咽を通らなくなっちまった現実を

セルロイドの駄菓子郷に酢をもて、人工着色もて、竹串もて、
封印して海岸沿いの網の上で思考する事幾世紀か

その下足で無防備なる紳士、女郎、青年、婦人、音楽家、農夫を無頓着に
粘着行為しないでおくれ

俺が烏賊嫌いになったのもおまえの軟体脳に撫でられたから

地下鉄の満員シートの隙間を
無理矢理に膨張する烏賊飯球体婆がねじ込もうとしたのも
すべての夜に靴を手に履き、小手を足に履きだした
おまえの下足のネバネバに因果があり
するめ、あたりめ、烏賊刺でさえも
もうすべてが腐敗しちまったじゃないか
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by nonitanonita | 2006-05-16 16:41
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